「直し」とは 後編
8月マンスリーも終わりましたね。
算数は可もなく不可もなくな印象、理科は後半の天体や力学は結構いい問題が並んでいると思います。
「直しとは解き直しのことだ!」
と、ノートに書いて回ったときの言葉の意図は、以下のようなことです。
「間違えた箇所のそばに赤で正しい答えをちょちょっと書いて、それで直したつもりか!
直しっていうのは、自分が何を間違えたのかを自分の答案を見直して考えて発見して、それでわからなければ解答も見て理解して、何度見ても分からない場合は先生に質問をして理解して、それで本当に理解しているかもう一度自分で解き直してみる、そしてそれを確認して青丸をする。
このことや!
それが全然出来てるようには見えへん!」(敢えてリアルに関西弁です)
ということなのですが、これを言われてすぐに自分で修正出来る子は、おそらく放っておいても成績が伸びていくことでしょう。
大体の子はそこまで出来ません。αの子達でも半分くらいは怪しいです。それくらい「直し」というのは難しい。そもそもそこまでしなきゃいけないとは思っていないし、した方がいいかなと思っていてもなかなか出来ないものです。なぜでしょうか。
※順位が上がってきているようで、ありがとうございます。よろしくお願いします。
「直し」が難しい理由は大きく分けて3つあります。
❶ 問題が難しすぎる!
生徒:解答を見ても何をしているのかさっぱり分からない…。質問に行って解説を聞いても、言われればわかるけど、なんとなく分かったような、分からないような…。
→新しいことをやった授業を休んだりよく聞いていなかったりすると当然こうなります。
あるいは、単元はもう5年からやってるものでも解けない場合は、その問題を解くレベルにまだ到達できていない場合も多いでしょう。普段Cくらいまでしかやっていない子がマンスリーで出たE問題や正答率20%未満のようなものをやっても厳しいのは当然です。
あるいは授業内容やテキスト構成に難がある場合もあります。Sは全体的に見て良い塾だと思いますが、算数のテキストに関しては問題点も幾つかあります。その一つがアプローチです。内容が実戦編のただの数値がえだし、数字設定が実戦編より易しかったり難しかったりバラバラすぎます。
ここら辺をちゃんと作り直せばもう少しSの中堅クラスの子達の実力もついて層が厚くなってくると思うのですが…。ここにハマる問題集も、ありそうで無いんですよね…。
❷ 直しの方法がわかっていない!
生徒:解答を見てミスが分かったので、ちゃちゃっと式を赤で修正しておきましたよ。え、ダメですか?
→Sに限らず、「直し」の仕方に対してうるさく言ってくれる講師はわずかです。細かいことを色々言うのは手間がかかるからです。しかしノートに書いてある式を見れば、どれくらい分かっているかも大体察しがつきます。とは言え、一人一人に事細かに話しているヒマがないのも事実です。
ノートに具体的なコメントを書いてくれる先生は良い先生だと思って、言うことをよく聞きましょう。
私が見ている生徒には口すっぱく言っていますが、考えの流れが分かる式を1本でも必ず書くことです。書けていなかった人は、これからSSなど実戦的な問題が増えてきてさらにボロが出やすくなるかも知れません。
❸ 修正力が足りない!
生徒:とりあえず解説はわかるけど、式が少なくて、教わったやり方とちょっと違うなぁ。自分の解き方でも答えが出るはずなのに、何回やっても答えが合わない。どう直せばいいんだろう。
→このパターンの約3割はどこかで計算ミスをしていて、自分で発見できずにハマってしまっています。緻密な計算練習が足りていません。
残りの7割は、途中までは合っているけど、どこかで変なことをして食い違っている場合です。解答とのやり方が違っても、解答を参考にしながら自分の答案のおかしいところに気づければいいのですが、図や解法が違ったりするとなかなか難しいのも事実です。とりあえず解答に合わせて吸収しておくか、自分の解法にこだわりたいならどんどん質問して改善していきましょう。
ざっとまとめるとこんな感じです。
「直し」はしっかりやれていますか?早速テスト直しをしていきましょう。