ヒパヒパの学習日記

自由が丘の算数塾、あるこ塾の代表がこども学習について色々と書いています。

解ける問題よりも解けない問題の方が大事

皆さんこんにちは。

算数の伝道師ヒパヒパこと、中村です。

 

 

日々算数を教えていて感じるのですが、

算数という科目は本当に多くの能力を育ててくれます。

 

裏を返せば、

算数ができるようになるためには多くの能力が求められる

とも言えますが、相乗効果が起こります。

つまり算数によってある能力が育つと、

その能力を使って算数ができるようになり、さらにその能力が育つ。

 

その「能力」とは何か。

計算力や論理的思考力、空間把握力など

それらしい言葉で語られることも多いですが、

それって結局どういう能力なんでしょうか。

そして、

どういう能力が求められるかということも重要ですが、

どうすればそのような能力が身に着くのか、

こちらの方がさらに重要ですよね。

 

 個人的には、

「想像力」と「記憶力」が算数力を伸ばすためには

最も重要だと考えています。

そしてもちろん、その能力を算数を通して鍛えることもできます。

「記憶力」も意味が広くて難しい言葉ですが、

丸暗記するだけの能力ともまた違います。

この話は、また別の機会に。

 

 

さて、

「受験生としては5年生が一番大事な時期」というのは

いつも言っている通りなのですが、

勉強で忙しくなってくる前の準備段階が非常に大事だなとも

感じています。

 

そこで

「4年生のうちになんとかいいポジションに潜り込まないと!」

と考えて躍起になるお母さんたちも多いですね。

 

そのお気持ちもよくわかるのですが、

ここは少し落ち着いてください。

 

 

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ここでタイトルの

「解ける問題よりも解けない問題の方が大事」

の話です。

 

これは、

「海の広さを知る」

ということでもあります。

つまり自分には解けない問題がまだまだあると知ること。

 

私自身の記憶をたぐってみると、

4年生から通いだした浜学園の授業を

場面場面で結構覚えているのですが、その多くが

一見するとネガティブなシーンばかりです。

 

 

テストで悪い点を取ってワースト1位を獲って恥をかいた。

(昔の浜学園では復習テストの上位3名と下位3名を毎回発表していました)

 

1から20までのたし算を間違えて、恥をかいた。

 

お花・め花のお花を「おはな」と呼んで理科の先生に苦笑いされた。

 

わからない問題を先生に質問したら「お前にはまだ早いで」と言われた。

(「な、なんやとぉ~!!!」と怒りがこみ上げてきて

ますます算数を勉強するようになりました笑)

 

などなど。。。

 

もちろん、

いい点数を取って嬉しくて記憶に残っている場面もあるのですが、

それよりも上のような「失敗」や

問題が解けなくて悔しい思いをしたことなどの方が

強烈に記憶に残っているのです。

 

そして、

すんなり解けた問題よりも

苦労した問題や考えても考えても解けない問題の方が

圧倒的におぼえていて、

だからその記憶を元に今、

子どもたちに算数を教えることもできているわけです。

 

算数は昔から大好きでしたが、

算数を簡単だと思ったことは一度もありません。

今でも思いません。

 

それにもし簡単だったら、つまんないですよね。

記憶にはほとんど残らない。

 

これは算数に限ったことではなく

人生すべてに言えることだと思いますが、

苦労は大切です。

 

苦労して考えて、

解けたときの達成感は最高です。

 

でも苦労して考えて分からない場合もあります。

それはそれでいいんです。

「分からなかった問題」として記憶に残り、

その後の糧(かて)になりますから。

だから「解けない問題の方が大事」なんです。

 

 

ここから考えてみると、

算数の力をつけていくために重要な要素として

1.考えることが好きである。

2.1つの物事(問題)に粘り強くトライできる。

という2つが挙げられると思います。

 

それに加えて、

3.負けず嫌いである。

という性格の方が、特に受験勉強には有利に働くことが多いと思います。

 

解けない問題は漬け物のように寝かせて発酵させましょう。

ただ気をつけてほしいのは、

解けないままずっとほったらかしにしておいても

腐ってしまってほとんど役に立ちませんので、

時機を見て発酵具合を確認しましょう。

 

それを自分でできる子なら素晴らしいですが、

子どもたちはおぼえたそばからビックリするくらい忘れていきます。

それをサポートするのが、

我々塾や親御さんたちの役目でもあると思います。

 

 

最後に、雑学のようなおまけの小話。

 

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※先生、画像お借りします。

 

灘中・灘高校は酒造業者たちが建てた学校です。

お酒の発酵にはそれなりの時間がかかりますよね。

だからなのか(?)基本的に気が長いゆったりした先生が多いです。

かと言って完全ほったらかしにはせず、意外と細かいところを見ていたりします。

これ、ほんまの話です。