ヒパヒパの学習日記

自由が丘の算数塾、あるこ塾の代表がこども学習について色々と書いています。

4年生・5年生で大切なこと〜関東と関西の違い〜

先日、あるご家庭でお母さんに言われました。

 

 

「灘ってなんであんなにすごいんですか?」

 

 

いきなりの質問だったので咄嗟に出たのは

「…え、そうですか?…なんででしょうね…」

 

 

それに対してお母さん。

「だって実績とか見ても、圧倒的ですよね。中での授業スピードとかもやっぱりすごいんですか?」

 

 

それに対して私。

「はい、そりゃもうもちろん。生徒たちが優秀ですごすぎるんで、先生もプレッシャーでハゲるくらいですよ」とは答えるはずはなく、

「いや、スピードはそんなでもないと思いますよ。高2にひと通り終わらせて高3は1年間演習ですけど、特別な居残りもそんなにないです」という感じ。

 

 

その後もムニャムニャお話しましたが、かいつまんで言いますと、

①関西の最難関男子校は社会がない(or社会以外の3科受験が出来る)ので、6年生の1年間は社会を勉強するはずの時間の多くを、算数や理科にあてることができる=理系素養が大幅にアップする。

 

②関西は関東よりも学校の選択肢が少なく、早慶のような傑出したブランド校もあまりない中、選ぶ側も実績やカラーにこだわる傾向が強い=トップ層の子達の一極集中が起きやすい。

 

という2点が大きいと思います。

 

 

 

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①については実際、「比」を関東Sでは5年生の夏期講習で習うのに対して、関西のH学園やN学園など大手塾では夏期講習に入る前にすでに教えています。

私が見ている子には、5年生の春頃には教えます。約比の計算は分数の約分や最大公約数を求める計算と同じなので、ちゃんと導入すれば全く無理なく吸収できます。

問題は概念の理解がちゃんと追いついて割合などの条件整理に使えるかなので、それを5年の夏にみっちりやることが大切です。

 

 

そしてさらにその前段階として、4年生のうちに分数と小数、特に分数をしっかり理解できていることが望ましいです。しっかり、と言うのは分数を単なる記号としてではなく「大きさのある数として理解する」ことであり、それが「割合としての分数を理解する」入り口になるからです。

 

このことは私がSにいた時に当時の教科長達と話したこともあるのですが、概ね同意が得られていました。ただ「分数を習う時点でもすでに何らかの差がついている」ということも事実で、これはそれまでの数年間で培った数に対する感覚によるものが大きいです。

それでも、その時点での差を詰めて挽回することはまだ可能です。

 

 

個人的には、中学受験自体のレースは5年生の春から始まるものだと思っています。4年生のうちはレース前の準備体操ですが、レースには入念な準備が必要です。「スタート前にすでに勝負がついている」ことはもちろんないものの、3・4年の準備によってスタートダッシュの出来が違ってくるので、その後のレース展開を大きく左右すると言えます。

このレース前準備がある意味では一番大事とも言えます。

 

とは言え、5年生の夏が終わる今頃は、まだレース全体の4分の1を過ぎたところです。まだ挽回はできます。しかし、何も意識せず適当に復習して挽回出来るほど甘いものではありません。各自の現状をよく見極めて、それぞれに必要な手を打っていかなければなりません。

 

 

そして6年生の夏が終わる今頃は、もうレースの4分の3をすぎたところです。残りの体力と相談しながら、時機を見てラストスパートをかけていかなければいけません。その前に、足もとを固められているか、今一度振り返っていく必要があります。

過去問はそれぞれ徐々にやり始めていくかと思いますが、特に第一、第二志望校の最新の3年分は取っておくようにしましょう。

直前にリアルな腕試しをするのに必要だからです。とは言っても、これからSSでどんどん過去問の混じったプリントをやるのでそこで問題を見てしまう場合もありますが、その時はその時です。

 

 

Twitterでもつぶやきましたが、スケジュールに空きが出そうなので体験授業をしたいと思います。すでに何件かお問い合わせをいただいており、詳細は決定し次第アップいたします。最新情報はTwitter(@hipahipathos)に出しますので、よろしければチェックしてください。